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2001年4月30日(月) バルセロナ
目覚めるとお昼を過ぎていた。
おそらく体調は最悪だろうと思っていたが、意外と調子良かった。
いままでの経験では、必ず熱が出ると思っていた。
しばらく信じられなかった。
踊り、表現し、自分を放出することは身体に良いのかも知れない。
そしてそれが僕には足りなかったのかも知れない。
夜7時20分の夜行列車まではまだ時間がある。
でもやっぱりゆっくりすることにした。
旅先ではつい無理をしてしまう。
今日はいろいろ頭を整理しようと思った。

バルセロナの街は混沌としていた。
いろいろな国や人種や階級の人々が街を行き交う。
だれもがお互いが何だか分からない。
アイデンティティーを守るのは自分自身しかいない。
時々それを守るために戦わなくてはならない。
夜中のパーティーがそれを象徴していた。
フロアーに密集する人はもうだれが何だかわからない。
ただ音を共有して踊るだけだ。
あらゆるところで誰かが揉めている。
言語が違うと掴み合うしかない。
するとつかさず警官が入ってくる。
近くでは貧しい人が花を売り歩いている。
しかし人々はそれでも集まる必要があるのだ。
何かを共有する必要があるのだ。

バルセロナに来て、正直自分自身を失いかけていた。
「アイデンティティー・クライシス」
自分が何であるのかとても不安になる時があった。
この街で自分のパスポートが果たして何の意味を持つのか。
僕はいったいここでは何なのか。

バルセロナが夜の騒乱に向けて動き出してきた。
夜行列車が僕をここから引き離してくれるだろう。






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