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2001年4月29日(日) バルセロナ
朝目覚めると頭がボーっとしていた。
体もだるい。
少し熱があるようだ。
何となく知恵熱のようなものだと思う。
僕はこれまであまりにも多くのものを考え、そして見てきた。
多分自分の中の容量を越えてしまったのだろう。
今日は部屋で休むことにした。
寝ていると一人のピエロが入ってきた。
持っている袋には小銭がたくさん入っている。
暫くすると化粧をおとして普通の青年にもどった。
ブラジルから来て大道芸をやりながら旅をしているらしい。
彼はボルトガル語とスペイン語しか話せず、僕達には共通の言語が無い。
でも、身ぶり手ぶりで何となく解るもんだ。
本物のピエロとゼスチャーのみでコミュニケートするのは楽しかった。
僕達は言葉なしですぐ仲良くなった。

実際の彼は、とんでもなくシャイだった。
彼の友だちのブラジル人が、となりの部屋のオーストラリアの女の子とパーティーに行こうと言い出した。
僕は自分の体調を忘れ、一緒に行ってしまった。
フロアではDJが大音量で流行りの音楽をかけ、人々は踊り狂う。
以前からみんなと踊ることがあまり好きではなかった。
そう言った場所も好きではなかった。
しかし宿の門限も過ぎ、朝まで帰れないとなると楽しむしかない。
とりあえず踊ってみた。
いままで「踊る」という経験は無いに等しい。
先ずはブラジルのピエロの踊りを真似してみた。
やはりリズムの取りかたが風土的に違う。
でも3時間もするとだんだん掴めてきた。
次は自分のオリジナルの動きを加味しだした。
僕はどうやら肩をすこしすぼめるスタイルが一番動きやすいし好きみたいだ。
「踊る」というのは表現だというのが身に染みて理解できた。
ダンスを楽しむより研究してしまった。
パーティーも終わり、朝日が見えるとみんなで砂浜にいった。
とても寒かった。
みんな震えていた。
賑やかな夜が終わる時は、いつも静かで物悲しい独特の感覚に包まれる。

宿の門が開くとそのままベットに潜り込んだ。
ふと自分が体調がよくないことに気付いた。
明日は大丈夫だろうか。





   


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