朝8時47分のバルセロナ行きの列車に乗るために早めに起きた。
マルセイユともお別れだ。
シャワーを浴び準備を整えて駅に向かう、バスに乗り込んだ。
駅に付くと、かわいらしい電車が待っていた。
これが国際列車なのだろうか。
とにかく車内に乗り込むと、意外にきれいな座席だった。
これは快適な旅になる。
ゆったりシートに座っていると、車掌さんがチケットを切りにきた。
しかし僕のチケットを見ると、君はあっちだと肩をすくめる。
なんてことはない、僕は間違って一等車に座っていたのだ。
あわてて隣の車両に移動すると、やっぱり狭い二等車だった。
こんなものだろうとあきらめて車窓を眺めた。
そこにはフランスの豊かな草原が無限に続いていた。
全く何も無い草原。
美しかった。
ローカル線なので二回乗り換えがあった。
時刻にはかなり適当なようで、到着は必ず遅れたため急いで乗り換えなくてはいけなかった。
しかし最後にはなんとか間に合うので仕方ない。
しばらくすると、少しずつ風景が変わって行った。
そうだ、僕は確かにスペインに向かっているのだ。
サボテンを見つけた時、ああ僕はスペインにいるのだと実感した。
車内に親子連れがマリファナを吸いながら乗ってきた。
随分オープンな電車だ。
夕方5時過ぎ、ついにバルセロナに到着した。
素晴らしくきれいな駅で、思ったより近代的だった。
もしかしたらパリの駅より綺麗かも知れない。
早速インフォメーションセンターで地図をもらう。
目指すは安宿の集まるゴシック地区だ。
しかし街が入り組んでいて分かりづらい。
しかもどこも「complete」(満室)の札が掛かっている。
嫌な予感がしてきた。
パリでの初日を思い出す。
何とか見つけなければ。
3000ペセタ程の中級ホテルはあるのだが、1500ペセタ程の安宿が無い。
荷物が肩に重くのしかかる。
所持金の少なさが恨めしい。
街は異常に活気と人で溢れている。
何とかユースホステルを見つけるがやはり満室だ。
今日はお祭りがあるのかと聞いてみると、明日バルセロナでF1グランプリがあると言う。
ついてない。
ホテルもいっぱいになるはずだ。
でもそこの人が親切に他のユースホステルを紹介してくれた。
またしても迷ったが、なんとか辿り着いた。
ベットが一つだけ空いていたが、今夜だけだと言う。
もう歩き回る体力は無い。
ここに決めた。
「ホテルニューヨーク」
僕の周りはアメリカだらけだ。
明日は他のホテルを見つけなければ。
気が重くなってきた。