朝8時に目覚めた。
旅に出ると何故か規則正しい生活になる。
日本にいる時はひどい夜型なのに不思議なものだ。
隣では同室のジョンがいびきをかいている。
僕は一人で街に向かった。
頭の中はインターネットへの接続しかない。
迷わず市内の日本語が使えるカフェを目指す。
早速持ち込みのパソコンの接続ができるか聞いたが、やはりダメだった。
仕方なく備え付けのパソコンで日本にアクセスした。
自分のホームページが開けたとき少し感動した。
何人か掲示板に書き込んでくれていたので返事を残した。
しかし依然僕のパソコンにつまっている言葉や写真は日本に送れないでいる。
だんだん僕はあきらめてきている。
今は旅そのものを感じることが大切ではないか。
とにかく記録し続けることが大切ではないか。
そう考えると少し楽になった。
足取りが軽くなったので街を歩いた。
パリは地下鉄がとても良い。
便利だし分かりやすい。
面白いのは音楽に溢れていることだ。
アコーディオンやバイオリンを持ったミュージシャン達が突然乗り込んできて演奏するのだ。
気に入った人は思い思いに投げ銭をする。
ミュージシャンは演奏が終わるとまた次の地下鉄に乗り換えて行く。
地下鉄そのものが文化なのだ。
僕は何となくモンマルトルの丘に向かった。
小高い丘からはパリが一望できる。
素晴らしい眺めだった。
昔ここで若い画家が夢を描いていたのだろう。
僕はそこに座っていつまでも街を静かに眺めていた。