ハリウッドは観光客だらけのさびれた面白くない街だと思っている人が、ロサンゼル
ス住民には多いのではないだろうか。車は止められないし、すさんだ感じの人がたく
さん歩いているし、正直言って出来れば避けたいエリアだ。ところが最近ハリウッド
が急速に面白くなってきているような気がする。アカデミー賞の授賞式をやる劇場も
できるという今工事中の巨大モール「ハリウッド&ハイランド」が、いわゆる「再開
発効果」を発揮し始めているんだろうか。クラブやバーなどが周辺に次々オープンし
ている。10月には空きビル状態だったチャイニーズシアター隣のミニモールに、
ニューヨーク発のクラブ「ニッティング・ファクトリー」がオープン。ちなみにこの
ミニモールには、タワーレコードのアウトレットも出店した。
ということで11月最後の日曜日、私もさっそくこの新クラブ「ニッティング・
ファクトリー」に行ってみた。1才の娘はベビーシッターさんとお留守番。この日は
クリスマスパレードがあるのでハリウッド付近に駐車するのは不可能。地下鉄でハリ
ウッドまで行き、パレードの見物客をかき分けて「ニッティング・ファクトリー」に
たどりつく。入り口にはチケット完売の立て看板。ビールのコマーシャルにも出ているベックと、再結成した懐かしのゴーゴーズが出るので当然だろう。私は義理の妹と夫の両方が出演者なので、もちろんチケットは確保してある。
入り口を入ると、まずメタリックなデザインのバーラウンジがある。あちこちにモニ
ターが備え付けられ、ハイテクな雰囲気だ。モニターは2つあるステージの模様を写
しているのと、ミュージックビデオを流しているのと、インターネットになっている
のがある。インターネットのは自由に使えるが、クラブまで来てインターネットやる
人っているんだろうか。ボックスオフィスでチケットを受け取り、WACOというクラッシック音楽の編成のロックバンドで演奏するために先に来ていた夫を捜す。夫は予想通り、メインステージを写すモニターの前でビールを飲んでいた。メインステージでは
「Radio Bemba」が演奏中。新しいバンドで、クンビアなどのラテン系音楽のアレン
ジが今風。日曜日の朝エスニックテレビでやっているような、インド風ロックも良
かった。
メインステージは吹き抜けになっていて、一階は立ち見+ダンス用、2階には椅子も
ある。ステージの様子をいつでもウエッブキャスト及びブロードキャストできるよう
にカメラや機材があらかじめ備え付けてある。コントロールルームはガラス張りで、
中継の様子をラウンジから見られるようになっている。さて次はいよいよお目当ての
ベックだが、急に子どものことが心配になり、外の公衆電話から自宅に電話。5回
コールくらいでシッターさんが出て、機嫌良く遊んでいるとのこと。いつのまにか友
人のエリックがうしろに寄って来ている。「なになに?」とかいうので「赤ちゃん生
きてたよ。」と言うと、「Baby alive! イエーイ!」と一緒にガッツポーズをしてく
れる。いい人だ。
今日のベックは弾き語りソロ。会場は満員。背の低い私は2階席で椅子の上に立つ
はめに。弾き語りって負け犬的な湿っぽい歌が多いような気がするけど、ベックの場
合はそれと紙一重なのに引き込まれるんだよね。お次は80年代にトップバンドだっ
たあのゴーゴーズ。ボーカリストはバンドと意見が合わないらしく来ていない。今日
はゲストボーカリストとしていろんな人が歌う究極のカラオケ状態。他のゴーゴーズ
はみんなオリジナルメンバーで、私と同じ年くらいの”おばさん”だけど髪の毛を青
く染めたりしていて、ものすごくかっこよかった。
実はこのコンサートはぺトラという有名ジャズプレーヤーの娘さんが交通事故に
あってしまったので、その医療費を捻出するためのベネフィット・コンサート。
ミュージシャンはすべて無償で出演している。アメリカには公的医療保険制度が無
く、個人で保険に入るとものすごく高いお金をとられる。ちなみにうちは毎月4万円
以上!保険代を払っている。ぺトラさんはお礼の挨拶の中で「これからは保険にはい
ります。」と言っていた。ちなみにこのコンサートの模様は翌日、ロサンゼルス・タ
イムス紙芸能セクションのトップ記事になりました。なお「ニッティング・ファクトリー」のコンサートの模様は毎日日本時間午後2時ごろからhttp://www.knittingfactory.com
で生中継されます。