ちょっと心が洗われる話。(?)
実は、何かの本に同じような話があった気がする。
むかしむかし・・・でもない頃のこと、あるホテルに「マーさん」なる客が
チェックインに来たそうな。
マーさんがフロントに行くと先客がいたので、その後ろに並ぶことにした。
その先客は自分の番になると「待たせるな!」とか「駅から遠すぎる!」と
か「お前の頭の下げ方が足りん!」とか、とにかくやたらとフロントマンに
怒鳴り散らし始めた。
延々と嫌味を言い続けるこの客に、後ろに並んでいたマーさんも不愉快にな
るほどだった。
やがて自分の番が来たマーさん。
さぞかしこのフロントマンは落ち込んでいるだろうと思うと、スッキリした
笑顔で「いらっしゃいませ!」と迎えられた。
「おやおや。今、あの人の後ろにいたので、思わず聞こえてしまったのだが、
あの人は随分無茶を言ってあなたに怒鳴り散らしていたね。それなのに、あ
なたは何もなかったような顔をして私に挨拶したが、ナンとも感じないの?」
フロントマンはマーさんに答えた。
「私も人間ですから、何も感じないと言えばウソになります。でも、私は精
一杯対応させていただきましたし、このホテルのサービスには誇りを持って
おります。
あのお客様のおっしゃることで当ホテルが謝るべきところは、素直に陳謝
いたしました。でも、それ以外のことは私が言い返しても、あの方はもっと
不機嫌になられたでしょう。
もしかしたら、あのお客様はご自宅を出られる時に不愉快なことがあった
のかも知れませんし、仕事がうまく行っていないのかも知れません。きっと
私以外にはぶつけられないストレスをお持ちだったのでしょう。
それと貴方様はご関係がありませんので、私は気持ちを切り替えてご挨拶
させていただきました。」
マーさんのチェックインが終わると、フロントマンはまた笑顔で次の客を迎
えていた。
「マーさん」が「マスター」なのかどうかは、永遠の謎である・・・
※どこかで読んだような・・と思った人は改装前のカフェの「徒然なるまま
に」に掲載していたからかもしれません。
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